サン・ジャックへの道(2005/フランス)
監督:コリーヌ・セロー 遺産相続の条件として仲の悪い3人兄弟が、サンティアゴまでの巡礼の道を歩くことに。他にも母親の為にイスラムのメッカに行くと思い込んでいる少年(ラムジィ)など、それぞれが事情を抱えてこの旅に参加しているのだが、その先にあるものは。
普通の人達の普通の物語。笑って泣いて最後に笑えるような、そんな映画でした。
さっぱり爽やか後味最高。濃すぎず薄すぎず爽やかな演出でした。たどり着くまでの道はやはり険しく汗だくなんだけども、決してただ重苦しいものでなくて。好きだなぁ、この映画。暖かさがあって。
随所に思わずくすっと笑ってしまうような笑いが散りばめられていて楽しかったです。素直に笑えました。
わざとらしい程一緒の動きをとる所とか、コミカルで好きだなぁ。
夢とか心象風景とかそういうのをファンタジーな感じにストーリーの中に挿入されているんですが、ああいうの好きです。無駄にCG使うとかでなく、現実感が無いんだけども、すごくわかりやすいという。あ、風刺画みたいな感じだ。
三兄弟は初め喧嘩ばっかりで長男なんかは帰りたいもう嫌だと言い出す始末。それが旅の中で段々変わっていく姿が見ていてなんだか嬉しい。三兄弟の長女もそう。初めは全然そんな気が無かったけれど、何だかんだでラムジィに文字の読み方を教えてあげたり。サンティアゴに着く直前には次男を二人で支えてあげたり。
「遺産相続の条件は此処までです」と旅の途中で告げられた三兄弟。そこで一番歩くのが嫌だと駄々をこねていた長男が「続けたい」と言った姿がすごく良かったです。その後やっぱりあんなこと言うんじゃなかったとかぼやいたりするのだけど、そこもまた微笑ましいというか(笑)
ラムジィと長女の「貴方は馬鹿なの?」「そう」「貴方は馬鹿なの?」「そう」「貴方は馬鹿なの?」「………違う」というやり取りがなんかすごく好きです。
ラムジィは純粋で母親想いで真っ直ぐな少年だなぁと思いました。
途中の心象風景で、あれ、これはお母さんもしかして…と思ったら案の定。サンティアゴに着いてサイードがそれを知りながらすぐ伝えず、悲しんでて、でもラムジィは知らずに無邪気にはしゃいでて。その対比が切なくて。ラムジィにそのことを伝えるシーンは、夕焼けの砂浜の中シルエットで描かれてるんですが、それがすごく綺麗で悲しくて胸が熱くなりました。
旅が終わってから長女の家に迎えてもらうんですが、それがなんかものすごく嬉しかったです。良かったね!と思わず笑顔に。